東京では濃口醤油を使いますが、大阪では薄口醤油を使います。
東京に暮らしていた時は意識していなかったのですが、確かにスープの色が違うなと感じることも多々ありました。
濃口醤油は色が濃くて旨味もしっかりしている特徴がありますが、薄口醤油の場合は色が薄く、上品な感じがします。
濃口醤油の方が薄口醤油に比べてなにもかも濃いようなイメージですが、実際には濃口醤油は甘みがあり、薄く見える薄口醤油の方が塩分強めです。
よく知られた話では、インスタントの蕎麦やうどんのスープの色や味が違うと言われていますね。
私自身は食べ比べをまだしたことがないのですが、大阪の小料理屋さんや居酒屋の味付けが少し違うかなと感じることはよくあります。
特に慣れないということはないのでどれも美味しくいただいております。
料理の基本である「だし」ですが、東京ではかつおだしがメインですが、大阪では昆布だしが使われています。
この違いは水質によって生まれたと言われており、東京の水は硬水のため、相性のいいかつおと濃口醤油が使われるようになり、大阪の水は軟水で、昆布を入れて短い時間でもだしがとれるということで、こんぶがメインに使われるようになったそうです。
東京では卵焼きは甘いものと思っていましたが、大阪では「だし巻き」と言われ、だしと塩で味付けした卵焼きが主流となっています。
諸説では、他の料理との相性により甘い味、塩味の区別ができたのでないかと言われています。
例えば東京では煮物や焼き物の味付けはしっかりしているので卵焼きは甘くする、大阪では少し甘めのおばんざいなので卵焼きはだしと塩で仕上げることになったということです。
居酒屋などではメニューに「だし巻き」とありますので、塩味の方だなという区別がついています。
でも「卵焼き」という名前の場合、どちらが出てくるか分からないので先に聞くようにしていますが、そのほとんどがだし巻きの意味で書かれているようですね。
東京で餅というとしっかりした角がある四角い餅ですが、大阪では丸餅が食べられています。
お餅がたくさん並ぶ年末の時期に、スーパーへ行くと見事なまでにまるっとした丸餅がずらり並んで売られている光景に驚かされました。
これは東京と大阪の差ではなく、日本の東と西で分かれているようです。
正月に食べる雑煮は、東では角餅のすまし汁仕立て、西では丸餅の味噌仕立てという食文化の違いがあります。
コンビニおにぎりのように三角型をしたものが日本のスタンダードだと思っていたら、大阪では俵型をした「おむすび」が食べられています。
三角おにぎりの場合、三角の方が早くしっかり握れるという理由で三角になったと言われています。
逆に、東京のいなりずしは俵型で、大阪は三角となっていますので、食文化の違いは奥が深いものです。
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