再建築不可物は掘り出しもの?

再建築不可物は掘り出しもの?

赴任している大阪営業所の社員は社宅に住んでいる人が多いのですが、中には家を買おうと意気込んでいる社員も少なくありません。

色々な意見もありますが、私は家族を持つことになればマイホームを持つこともやぶさかではないと考えるタイプです。

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私の同僚であるSさんもその中の一人で、休憩時間にはスマホで物件情報をチェックしています。

そんなある日、家を買おうと思うと、相談にきました。
私も5年前東京にマイホームを購入した経験があるため何かアドバイスができればと思いはなしを聞くことにしました。

掘り出し物件?

同僚は資金の関係で中古物件に絞って探していました。

見せてもらった物件の写真を見せてもらいましたが外壁も内装もリフォームもされていていましたし、間取りも広くとても住みやすそうで申し分ないように見えました。
さらに、特筆すべきことは近隣相場よりうんと安いということです。

しかし、よく見てみると但し書きに「再建築不可」の文字がありました。
同僚にそこのことを質問するとそれについては見逃していたようです。

再建築不可物件とは

再建築不可物件とは簡単に説明すると、その建物は将来建て直すことができない物件というこです。
一見した見ところこの建物はリフォームがしてあり住むのに問題はないように見えますが、かなり老朽化している、築年数が古い物件だということが推測できます。

というのも、この再建築不可物件に指定されてしまったのは、約72年前(2022年3月現在)の昭和25年5月24日に建築基準法が改正され、その建築基準法を満たさない建物を再建築不可物件として指定され扱うようになったからです。

ですから、少なくても築72年程度は経っている建物だということです。
しかも、それを立て直すことはできないため、価値が低い物件であるといえるのです。

同僚のSは「こんな掘り出しもの物件急がなあかんやろ?」と鼻息荒くたずねてきました。

内心とても重要なことなのにと思い思い切って答えました。

再建築不可の場合、家を建て替えができないことや、周辺の住宅に比べると不動産価値は50~70%になることなどを教えるとショックを受けた顔をしていました。

でも、再建築不可物件は素人が手を出すと大けがしてしまいます!
お買い得に見える物件ほど、思わぬ落とし穴があるので、物件情報については隅々まで見なければなりません。

再建築不可の家を売却した話

なぜなら私は過去に再建築不可の建物の売却のお手伝いをしたことがあるからです。

大阪へ単身赴任になる前、友人H宅を売りに出したいと相談されました。
友人宅は父親から相続されたものですが、老朽化が進んでおり、そのまま住むのは厳しい状態だったのです。
地元の不動産業者へ相談したところ、売却は難しいといわれたらしくあちこちたらいまわしにされてしまったそうです。

何でも再建築不可の物件は住宅ローンを設定しにくいため、買主は現金一括の購入になるそうですし、
現金を持っていたとしても、誰もボロボロの家を購入したいという人はいないだろうから、リスクが高いというのが不動産業者の言い分です。

「まぁ、そうだろうな」と私も納得しましが、困っている友人のために力になりたいという思いもあり、調べてみることにしました。

再建築不可物件に特化した不動産会社に相談

一般的な不動産業者では、やはりリスクが高いため扱えないということですが、不動産業をしている別の友人に聞いてみたところ、再建築不可物件を買取ってくれる専門の不動産会社があるそうです。

再建築不可物件を買い取った場合、再建できる土地にするため、道路の基準を満たすため、周りの地主や特定行政庁などと取り合いながら調して行くことが必要となります。

こうしたことは、売却するまでの期間も長くなり、交渉に関しても簡単にいくケースはまずありません。
ですから、再建築不可物件に特化した不動産会社というのがあるのです。

そうした不動産会社の選び方として、老朽化・瑕疵のある建物でも買取ってくれること、買取実績があることも重要なポイントだといいます。

<参照>

再建築不可物件の買取実績のあるCentury21 マーキュリーに相談してみるのもよいでしょう。

同僚Sへのアドバイス

同僚のSには、先ずはしっかりと物件の状態を見に行くことだとつたえました。

その上で以下のことを確認するべきだと3つのアドバイスをしました。

  1. リフォームをしてあるといっても、どのようなリフォームをしたのか
  2. リフォームをする前の状態はどのようだったのか
  3. 将来的に再建築が可能になる手立てはありそうなのか

やはり、再建築不可物件は、幾ら格安だからといって簡単に飛びついていい物件ではありません。

メンテナンスにいくらくらいかかるかということや、いずれ売却する出口戦略もあらかじめ考えたうえで判断すべきだと思います。

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