昨夜、珍しく長男から電話がありました。
 何かと思ったら、進路の相談です。
 そうか、もうそんな歳なんだな…と、ちょっとした驚きもありましたが、話を聞いてみると息子の成長ぶりに感動しました。
 息子は知らぬ間に自分の進むべき道、自分の夢をきちんと考え、それを実現しようとしている姿に感激です。
 よくここまでしっかりと育ってくれたものだという思いと、ここまで育ててくれた妻に感謝しかありません。
 面と向かってはこんなこと言えないので、ここに書かせていただきます。
 本当はちゃんと妻に伝えなくちゃいけないこともわかってるんですけどね…。
 でも、なかなか恥ずかしくて言えないものですね。
 ところで、なぜ息子が相談してきたかというと、それは進学したい大学が自宅から通える場所ではないからなのです。
 そうなると下宿なり寮なりで暮らす必要があり、今の家を出なければならなくなります。
 母親である妻には、それとなく話してみたそうなのですが、ものすごく寂しそうな顔をしたのでそれ以上は言えなかったそうです。
 息子は息子なりに母親の気持ちを考えてくれたのでしょう。
 どうすれば母を悲しませることなく、自分の夢を叶えられるだろうか。
 学費や生活費を含め、かなりの費用がかかることは大丈夫なのだろうか。
 受験しても受からなかった場合、周りをガッカリさせないだろうか。
 そんなことを真剣に悩んでいたようです。
 私から息子に言えることはただ1つ。
 「父は息子を応援するから、母のことは私に任せておきなさい。」。
 これで息子は、少しは安心してくれただろうか。
 今回の件を通して、息子の成長が知れて本当に嬉しいです。
 これももしかしたら、単身赴任していなかったら気づかなかったことなのかな。
 いや、そもそも息子から私への相談はなかったかもしれないな。
 そんなことを思うと、単身赴任してよかったと心から思います。
 相談してくれるということの幸せを噛み締めながら、長男が安心して大学受験できるように、私が仕事を頑張らなければなりません。
 しっかり稼いで、少しくらいは仕送りもできるようにしないと。
 って、ちょっと気が早かったですね。
 これから私がすべきことは、妻の説得とフォローです。
 きっと妻は、長男が家を出て行ってしまうことにかなりの寂しさを感じるでしょう。
 母親というものは、子どものことを必要以上に心配するものですからね。
 私の母も、いつまで経っても私のことは子供扱いでしたしね。
 もし長男が大学に受かり、一人暮らしを始めてしまったら、きっともう自宅に戻って暮らすことはないでしょう。
 そうなると妻と娘たちだけの、女性だけの世帯になってしまうことが心配です。
 せめて私が戻れたら…。
 その日のことを考えながら、まずは妻の説得をどうするか、私もこれから考えます。
 さ、長男のために頑張るか!
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